滞在三日目、ついについに、こちらのお店へ!

アメリカンBBQ好きであれば、誰もが知る名店。

Franklin Barbecue(フランクリン・バーベキュー)

所在地: 900 E 11th St, Austin, TX 78702 
営業時間:
火~日 11:00 – 15:00
月曜日定休
HPhttps://franklinbbq.com

単なるバーベキュー店という枠を超え、世界中の食通が一度は訪れたいと願う「聖地」としてその名を轟かせている フランクリン・バーベキュー。

その比類ない品質と独特の体験によって「伝説」と化しており、多くの人々の「バケットリスト」に加わる存在でもあります。

ご存知の方も多いかもしれませんが、フランクリン・バーベキューのオーナーであるアーロン・フランクリンは、日本でも大ヒットした映画 『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』 に本人役で登場しています。あの映画で彼のブリスケットに魅せられた方も多いはず。私もその一人で、スクリーン越しでも伝わる迫力あるブリスケットにいつか本場で味わってみたいと思い続けていました。

「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」
(C)2014 SOUS CHEF,LLC. ALL RIGHTS RESERVED

これほどまでに人々を惹きつけるのは、単に最高のバーベキューを提供するだけでなく、そのプロセス全体が「最高の体験」として設計されているからではないでしょうか。

私は行列に並ぶことがあまり得意ではないのですが、フランクリン・バーベキュー では、この「待つ」という行為こそが、体験の重要な一部であり、その「苦労」が、最終的に口にする食事の「報酬」の価値を飛躍的に高めて、忘れられない記憶として心に刻み込まれるのでしょう。

ここまでお読みいただくと、「そんな大袈裟な!」と思われるかもしれません。

お店の入口ドアの前に座って、この日の一番目をゲットしたコワモテ髭のお兄さんに何時に到着したのか聞いてみました。(Feed me brisket and tell me I’m pretty とプリントされたTシャツを着ていた)

「一番に並びたかったから6時に来たよ」

午前6時から…!並んでいる…!

その瞬間、列に続く人たちから歓声が湧き上がり、この独特の待ち時間は単なる時間の消費ではなく、訪れる人々にとっての「物語」にさえなっているのだと胸熱。
それでは我々のフランクリン・バーベキュー物語、レポートします。

行列は長く、店の裏の駐車場を覆うほどに伸びていた

9:02
現着。6時アニキほどではないけれど、11時の開店に向けて2時間は並ぶ覚悟。20人ほど前に並んでいました。軒下には貸し出し用の折りたたみ椅子がたくさん用意されているので長い待ち時間も安心。影はあるし、扇風機が常に当たる場所だったのでなかなか快適。我々の前に陣取る若者グループの話を聞いていると、卒業旅行でマイアミから車で来たそう。一日かけて交代で運転してきたようで、彼らの盛り上がり方も納得。

列に並ぶ多くの方が、飲み物(アルコール飲料も可)、本やカードゲーム、ゲーム機などを持参し、ピクニックのような雰囲気で待ち時間を楽しんでいました。

話がそれますが、Austinは街中で自動運転タクシーのWaymoが行き交っていました。Jaguar I-Paceを改造したEVには、29台のカメラが搭載されているとかで、車両の周囲360度の視野の情報を捉えるため、クルクルとカメラが回っていて、とても可愛いのです。どうしても乗ってみたい、という私の希望を実現するため、フランクリン・バーベキューでの待ち時間中にウチのロボットさんが持参したPCでいろいろ調べてくれましたが、Waymoをリクエストすることはできないらしく、Uberアプリで運良くWaymoが来るまで乗車を繰り返すしかないと。ふーむ。

今回はご縁がなかったWaymo またどこかの都市で乗れるといいな。

開店前の長い待ち時間には、お店の中のお手洗い、お土産グッズの販売を利用することができます。途中でスタッフが注文を聞きにきたので、事前に注文できるのかと思ったのですが、これは前方に並ぶ人達の注文の意向を確認することで、売り切れの可能性を後方に並ぶ人達に伝える顧客サービスの一環なのだと知りました。長時間並んで注文時に売り切れと知るのはつらいですものね。

あれもこれも欲しくなるグッズたち

10:45
行列に並んでいる人が次々に折りたたみ椅子を片付け、ソワソワし始めました。フランクリン・バーベキューを体験する上での「通過儀礼」を共に経験した見知らぬ客同士の間に一時的なコミュニティが形成され、オープンのアナウンスに群集が沸き立ちます。なにこのグルーブ感。

待ち時間を苦痛ではなく、むしろ楽しいイベントへと変えていく。単なる飲食店を超えた「文化現象」としての地位を確立していることが、フランクリンというブランドの強みなのではないでしょうか。

11:17
オーダーの順番が回ってきました。我々が注文したのは、ブリスケット 1/2 ポンド、ポークリブ 1/2 ポンド、プルドポーク 1/4 ポンド、ターキー 1/4 ポンド、ソーセージ 1本、コールスロー、ビーンズ。

とてもフレンドリーな彼女、「日本から来たのよ」と言うとブリスケットを一枚おまけしてくれた笑

食べ始める頃には満席。相席をお願いして実食です!

ブリスケット。口の中に入れた瞬間に感じるスモーキーな香り、噛んだ瞬間に弾け出るジューシーな脂と深い肉の風味。このトロけるような柔らかさ、ナイフがいらないどころか、もはや歯が要らない。塩胡椒のみといわれるシンプルな味付けから生まれたバークは驚くほど力強く、鮮やかなスモークリングからも調理が精密にコントロールされたことが伺えます。脂が思ったより多く、お肉のクセが少し残っていたことは、人によって苦手に感じるかもしれません。

ポークリブ。完璧に調理され、骨から簡単に剥がれるほど柔らかい一方で、噛みごたえもしっかり楽しめる仕上がり。外皮のスモーキーでスパイス感じるドライラブとその上に薄く塗られた甘辛いバーベキューソースのバランスが見事にマッチ。ポークリブにしては可食部が多いピースをもらったようで大満足。うまい!

プルドポーク。柔らかくジューシー。噛むほどに豚肉の旨味が広がり、BBQソースなしでも十分に美味しい。「プルドポークといえば甘いソース」という概念を覆してくれます。ソースに過度に依存せず、肉本来の風味を重視するフランクリンらしいレシピですね。もちろんソースを加えても美味しかった。全種類試したけれど、お気に入りはオリジナルのソース。

ターキー。ブライン液に漬け込んでから調理しているのか、中までしっかりとした塩味を感じます。燻製の香りとターキー特有の風味の相乗効果で、淡白なターキーが味わい深い。

ソーセージ。弾けるようなスナップはあまり感じず。フランクリンのレシピ本でコクを出すために牛ハツを少量混ぜているとあったけれど、お店で提供しているソーセージにも入っているのか、確かにコクがある。

12:23
退店。まだ行列は長く続いていました。お店の裏に駐車場がありますが台数には限りがあり、我々が到着した9時でほぼ満車でした。お店近くの道路脇にはパーキングメーターがたくさんあったので、他の方はそこを利用しているのだと思います。フランクリン・バーベキューを訪れる時は、早めに到着するのが吉ですね。

退店時に撮った写真にも行列がしっかり映っています

初めて観たアメリカンBBQ のドキュメンタリーがアーロン・フランクリンが出演しているものでした。初めて読んだアメリカンBBQ のレシピ本も彼が書いたものです。アーロン・フランクリンの成功は、ピットマスターとしての腕前だけでなく、そのノウハウを広く共有し、ファンを増やし、バーベキュー関連商品を幅広く展開したことだと思います。

今回テキサスでアメリカンBBQを食べ歩き、テキサス・バーベキューには次の新しい波が来ていると肌で感じました。アメリカンBBQの先駆者として大きな成功を収めたアーロン・フランクリン、そしてフランクリン・バーベキューのBBQは、まさに『テキサスBBQの古典』その揺るぎない完成度は今も多くの人を魅了しますが、今回の旅で私の舌が捉えたのは、進化を続けるシーンの新たな息吹でした。

レポートはまだまだ続きます。どうぞお楽しみに!

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